自分の身体性を書体へ昇華する
イヌやオオカミをモチーフとした本文用ヒューマニストサンセリフ、Koga Sansを制作しています。 Gill SansやMetroなどのジオメトリックな表情と作者の身体性を併せ持った書体に影響を受け、自分の筆跡のクセからアイデアを得たテールと丸く可愛らしい曲線で骨格を形成し、ターミナルを斜めに切り取ったような形状は、カリグラフィーにおける始筆や和文のゴシック体におけるターミナルの形状から着想を得ています。
フィードバックとアップデートのサイクル
タイポグラフィのイベントなどでユーザーとなるデザイナーの方々に積極的に見ていただき、様々なフィードバックをいただき、アップデートに反映しています。 OpenType機能やオルタネート字形など、ユーザーの使い勝手を向上させる機能や自分自身が使いたい文字を積極に追加し、最終的には9つのウェイトとイタリック、本文テキスト用のオプティカルスケーリングをもったファミリーまで拡張を目指しています。
使われ方から逆算する
オンスクリーン制作室も特別協賛として参加している2019年6月9日に行われた「オンスクリーン・タイポグラフィ・デイ」では、ホームページの本文書体としてKoga Sansが混植して使われたほか、会場の掲示物などのグラフィックにもKoga Sansが使われました。ホームページにおいては、和文書体と混植した時に違和感なく読めるようウェイトの微細な調整を行いました。